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#23 クラスター社が描くメタバースの未来、CXO採用と外部環境が導いた成長の軌跡 ー クラスター 加藤直人氏

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INDEX

「スタートアップ オフレコ対談」は、XTech Venturesの代表手嶋とゲストの方をお呼びして対談する番組です。今回はVR空間で人が集まることができるメタバースプラットフォーム「cluster」を展開するクラスター株式会社の代表・加藤さんに登場いただきました。

後編では大きな成長を見せているクラスター社のこれまでのターニングポイント、注目するメタバース関連の動き、Web3とメタバースの関係性について、加藤さんならではの見解をお伺いしています。

<スピーカー>

・加藤直人氏(@c_c_kato
クラスター株式会社 代表取締役CEO

・手嶋 浩己(@tessy11
XTech Ventures代表パートナー

<目次>

・「ライトなプロジェクト」から「社会的責任」へ。じわじわ増してきた責任感
・初期メンバーを「カジュアルに辞めさせた」謎の自信
・会社のステージを変えた2大要因。「外部環境の波」と「CXOのジョイン」
・CEOの時間は「プロダクト」「採用」「未来」に1/3
・「プロダクトビジョンは渡さない」CEOが全機能チェックを続ける理由
・ゲーム技術なき「アプリ業界発」カジュアルメタバースへの懐疑
・Web3とNFTは「ハイプ」。意図的に距離を置く理由
・「遊び場」から「経済圏」へ、そしてグローバル化のための「ゾーニング」
・「年内倍増」計画。世界と戦うため「エンジニア100人体制」を急ぐ
・Web系とゲーム系が融合する、クラスター社のハイブリッドなエンジニアチーム
・「タイミングの良さ」で掴んだ出版。書籍『メタバース さよなら、アトムの時代』

※記事の内容は2022年3月時点のものです。

「ライトなプロジェクト」から「社会的責任」へ。じわじわ増してきた責任感

手嶋: 後半戦は、今後の話を中心にクラスターについて聞いていきたいと思います。いい意味で「ライトな気持ち」だから創業できた、考えすぎずに「じゃあやってみよう」と思ったプロジェクト的な話で始まったクラスター社でした。しかし途中で徐々に社員もどんどん増えていきます。事業がうまくいったりいかなかったりしつつも、資金調達を重ねていく中で、プレッシャーがかかったり、社会的な責任が客観的には重くなってきますよね。

会社の作り方には色々あると思いますが、その中で、少しライトなプロジェクトっぽかったところから、「これはもう色々な人も巻き込んだし、成功させないと」というモードに変わった瞬間はありましたか?

加藤: その質問について、正直ベースで言うと、「成功させたい」とか「でかいのを作りたい」という言葉の中でも、「成功させたい」という言葉があまりしっくりこないのです。

「でかい仕組みを作りたい」「アーキテクチャを作りたい」というのはあります。

自分は作れると思っている感覚が最初からずっとあって、そこは変わらないですね。ただ、責任感がどんどん増しているというのは、すごく感じます。

社会を変えるような仕組み、大きい仕組みを作っていくのだというところに関する、ある種の謎の自信のようなものは、最初からあったかもしれません。会社を作るときに、会社を成功させるのだという感覚が薄かったというのはミスリードかもしれないですけど、もっと言うと、どのくらいの時間でプロジェクトをどこまででかくできるかという時間軸の方が意識としてありました。「いつかは世の中を席巻するような、でかいものを作れるだろうな、自分は」という感覚の方が近いです。

どこかのタイミングで変わったかというと、特定のタイミングで変わってはいません。もちろん、人が増えるにあたって、色々な方々の人生を会社のメンバーとして預かるようになってきました。そこに対して責任感を感じるようになりましたし、クラスターの上で生活する人が増えてきたこともあります。クラスターは最近、ロイヤルユーザー、その中でも週5、6日、毎日使っている人たちの平均滞在時間が1日に5時間を超えています。

5時間を毎日過ごしている。もう生活しているわけです。そういう人たちに対して場を提供しているということに対して、ある種の公共性のようなものをクラスターとして感じ始めています。じわじわじわじわという感じです。

手嶋: 責任感が増してきたという表現ですね。

加藤: そうです。

初期メンバーを「カジュアルに辞めさせた」謎の自信

手嶋: 今までの話を聞いていると、むしろ最初のターニングポイントは、ゲーム会社から2人を引っ張ってきたところがきっかけなのかなと思いました。そこは結構勇気がいるじゃないですか。1つ目に人を誘うのは。

加藤: 確かに。でもその観点で言うと、私は結構カジュアルに辞めさせてしまいましたね。そこまで考えていませんでした。

今、会社は100人くらいまで増えてきましたが、私の中ですごく良かったなと思うのが、大学時代に学生委員会という300人のような大きい組織でトップをやっていたことです。そこでみんなが動いているのに対して、お金を大学の制度を通じて理事から引っ張ってくるということをやっていました。会社の真似事のようなことをやっていた。その中で、人が組織的に動くというのを疑似体験していました。

初期メンバーの2人は、このクラスター社でバリバリやってくれていて、コアになっているエンジニアとデザイナーです。その2人には申し訳ないですが、結構カジュアルに辞めさせて東京に連れてきたということがあります。

手嶋: 言語化は難しいですが、そこの根底は、おそらくクラスターという、自分たちが作るインフラのようなものは「いつかは成功する」という謎の自信があったということですね。

加藤: それに、彼らはスキルがある人たちだから、別に食いっぱぐれないだろうと思っていました。

手嶋: 優秀な人であるほど、どこでも働けるでしょうという。

加藤: そうです。当時、その2人や新しく入ってきた社員にも言っていたのが、「こける時は前のめりにコケましょう。解散したら、転職活動の手伝いをします」くらいのことを言っていました。

会社のステージを変えた2大要因。「外部環境の波」と「CXOのジョイン」

手嶋: 今、100人の組織で、昨年度から黒字化しているぐらいは公表されていると思います。目指している像に比べたら、まだまだというところだと思いますが、昔の自分からすると、そこそこ大きくなってきたなという感じだと思います。

ここまで来るのを一旦成果だとした時に、ターニングポイントを2つか3つ挙げると、どういうタイミングに何があったから、ここまで来られたのでしょうか?

加藤: これは明確に「人」のベースと「外部環境」の2つです。手嶋さんにも信じていただけているところだと思いますが、より人は引きこもるようになるのではないか、よりデジタルが溢れるようになるのではないか、フィジカルのデジタル消費が増えるのではないかという大きな流れに乗っているのが、クラスター社のテーマ感であり、今のメタバースのテーマ感だと思います。

外部環境で言うと、「バーチャルYouTuber」がいきなり出てきてめちゃくちゃ流行りだした、「コロナ禍になった」、「メタバースというブームがやってきた」というのが外部環境としてあります。方向性は合っていましたが、すごいチャンスが来たというのが、その3つです。これは再現しないと思いますが、そういった波がやってきたのが1つです。

もう1つは人ですね。これを明確に感じたのは、うちのCXOたちです。CFOの岩崎を雇ったタイミングと、COOの成田を雇ったタイミング。CFOの岩崎が入る前までは、クラスターは会社ではなかったのです。

手嶋: 支払いがという話は、聞いたことがありますね。

加藤: 紙のダイレクトメールがすべて、地面にバラバラに放り出されているような、そんな感じでした。ちょっとえぐい感じです。

手嶋: 岩崎さんは、会社ではないものを会社にしてくれたのですね。

加藤: 会社にしてくれた人です。会社にしてくれたし、ステージが変わったなと感じました。今まで規律という規律がなかったわけではないですが、エンジニアとデザイナーしかいませんでした。クリエイターしかいない会社です。クリエイターしかいない会社が何か熱いものを感じながら、「俺たちの作るものはものすごいだろう」と言いながら作っていたところに、「会社にする人」が入ってきたというのが、まず1つのタイミングです。

2つ目のタイミングは、自分たちが作ったものはすごくいいものだと思うし、世界的にもユニークなものだと思う。これをお金に変えたい。どうやって変えようかというのは、結構前からBtoB向けの事業を立ち上げたいという絵を描いていました。

BtoB向けを立ち上げながら、それをCtoC向けにということを言っていた中で、BtoB向けがなかなか立ち上げに失敗するという状況でした。そこで成田さんを手嶋さんが紹介してくれて、BtoB向け事業を作ることができるようになりました。やはりCOO、CFOを雇ったタイミング、キーマンの採用で、会社のステージがガッと変わったと感じています。

CEOの時間は「プロダクト」「採用」「未来」に1/3ずつ

手嶋: 今の外部環境と、そのCXOのジョインがありながら、皆さんが知っているクラスター社になってきたということですが、加藤さん自身でいくと、今はどんな時間の使い方をしていますか?

ミーティングの日程調整をする時があったりすると、そこそこ時間的にも埋まっていて、忙しそうにしているなという感覚があります。今何が一番、時間を使っていることですか?

加藤: まだまだプロダクトは見ています。プロダクトを見ているのと、採用を見ているのがあって、1/3がプロダクト、1/3が採用、1/3が未来への投資。

これは意識しています。自分の中で1/3ずつをアロケーションしようと考えています。

プロダクトはまだまだ見ていって、それぞれのチームをいい感じに走らせるようにということで、必要があればデイリーのMTGにも出たりもしていますし、ここのチームやばそうだなとなったら出ています。ロードマップを引いたりというところも、まだ私が入っているという状態です。プロダクトのロードマップは私が担当しています。

ユーザーの声をしっかり見ないといけないということで、コミュニケーションサービスなので、私は複アカ(サブアカウント)を作って、クラスターに潜り込んで、みんなの状況を見たり、話したりしています。もしこれをクラスターユーザーが見ているのだとしたら、私と喋っている可能性もあります。

手嶋: 知らないうちにですね。

加藤: 知らないうちにです。そういうのに時間を使っているのが1/3です。エンタープライズ向けの事業は、もうだいぶ権限を渡しました。しかしコミュニティサービスは難しいですよね。チューニングの仕方が、本当に絶妙なバランス感覚の上で成り立つものだと思っているので、そこはまだ見ています。もちろん、細かい実装や、その辺に口出ししたりとか、全然しないですし、細かい機能の口出しもしないですが、そこを見ているのが1/3です。

1/3はやはり採用ですね。最近は、特に採用の面談です。社員は今100人くらいですが、まだ私の面談を通すことなく、社員になるというプロセスはないようにしています。

2つの意味があって、判断する以上に、まず1つはアトラクトするというところです。つまり、クラスターに入ってくるというのは、この100人程度で、世界的にはビッグテックが資本で殴り合っている、そもそも勝てるかどうかも分からないような、そもそも無茶な話をやっています。

すごくロイヤリティーが高く、メンバーが一丸となってやらないといけない時に、ちゃんとアトラクトしておけるかということです。半分見極めですが、半分アトラクトのために時間を使っています。だから、採用にはめちゃくちゃ時間を使っていますね。

「プロダクトビジョンは渡さない」CEOが全機能チェックを続ける理由

手嶋: プロダクトの件でいくと、今はまだ自分でやっていると言っていましたが、私からすると、プロダクトロードマップやプロダクトビジョンを作る仕事だと思います。正直に言うと、誰かに渡すことは相当難しそうに見えますが、将来的には誰かに渡すつもりはありますか?

加藤: その観点で言うと、プロダクトのビジョンやその辺に関しては、やはり誰にも渡すことにならないと思います。どこまでのリードかという感じではありますね。

今、実はどうなっているかというと、すべての機能を私のチェックを通さないと、外に出なくなっています。プロダクトの機能は、私の目を通さずに世の中に出る機能というのは存在しないという状態になっています。プロダクト開発前、開発をするときも、こういう機能をこういう理由で作るというところも、このチェックを通さないといけないという感じになっています。だから、デザインとかも全然口出ししたりもしています。実際にダメですね、こうしてほしいとか、デザイナーとミーティングしたり、エンジニアとミーティングしたりということも、ガリガリやっているような状態ですね。

手嶋: でも、加藤さんではないにしろ、誰か1人が好き嫌いも含めて判断しないと、ぐちゃぐちゃになりますもんね。

加藤: その通りです。それはやはりあると思っています。もちろん、デザインや、こういう機能を追加する細かいところは、おそらく権限を移譲していけるだろうなと思っています。最終的には、やはり大きいロードマップだけを判断していくところに収束していくのかなと考えながらやっています。ただ、まだ結構細かめに入っています。

ゲーム技術なき「アプリ業界発」カジュアルメタバースへの懐疑

手嶋: クラスター社でいくと、客観的にもめちゃくちゃ今チャンスが豊富で、事業機会が豊富です。どこから何を手につけようかという感じだと思います。目線でいくと、グローバルをまだ狙えるタイミングだと思います。

今のユーザーは日本のユーザーが中心だと思いますが、目線は世界で戦うということだと思います。今、世界のメタバース関連で注目している動きはありますか?

加藤: その観点で言うと、メタバースは最近、本当にポコポコと出てきています。2つあって、1つ目が、やはりクラスターのテーマ感は、カジュアルにやるというところです。

クラスターのテーマ感は、まずそもそもメタバース空間を本当にカジュアルにどこからでも入れるようにしようと、敷居をどんどん低くしようというのが大前提にあります。

やはり、これは全人類がメタバース的なこのデジタルの価値を享受できるようになるべきだと思っています。一部の人たちでニッチにやったら、それはただのゲームなので、そうならないようにしたいというのがあります。

だから、インフラにしたいんです。その中で最近出てくるメタバースのアプリは、結構カジュアルに行ったりとか、簡単に行けるところが多くなっています。今、ユーザーを抱えているメタバースというのは、結構古いの。例えば、上場したRobloxは、もう17年前のサービスです。

今、主流のBigscreenやVRChat、Rec Roomもそうですが、これはVRの波の時に生まれたもの。2015〜2016年とか、その辺の前後に生まれたアプリで、作っている人たちは、結構ゲーム出身のエンジニアとウェブアプリ系のエンジニアが重ね合わせて、VR用に作っています。それが5年くらい経って、すごく小慣れてきているという状況があります。

その中で、最近のメタバースは、ゲーム業界ではなくて、アプリ業界の人だけで作っているという動きが出てき始めました。最近も、中国系でのメタバースのアプリや、他の国のものでも出てきていますが、結局、メタバースの今の世界観というのはゲームの技術がベースになっていて、3Dオンラインゲームなんです、技術的には。しかし、そういうエンジニアたちがいなさそうなチームが作ったメタバースがポロポロと出てきているなという印象です。

これは多分、メタバースという言葉がバズワードになって、それをウェブアプリ系の人たちがやっていたら、すごく手軽かつ、ウェブアプリ寄りの思考で作られたアプリというのが、今、ポコポコと生まれています。感覚としてはSnapchaやZenlyというSNSサービスっぽい印象を受けるようなメタバースが生まれてきているというのが、海外のトレンドです。

これがうまくいくかどうかは、私は若干懐疑的です。どちらかというと、ゲームの技術、その感覚が入って初めて3D空間の民主化だと思っています。

だから、ゲーム業界の人たちをいかにプロダクトの中に入れていくかというのは、すごく大事です。これができている、そこの観点がなさそうなアプリがたくさんできるというのが、面白いところかなというのがあります。

Web3とNFTは「ハイプ」。意図的に距離を置く理由

加藤: 2つ目は完全にNFTファーストのメタバースについてです。メタバースがWeb3とクロスし始めて、NFT文脈でメタバースが語られるようになりました。Web3におけるメタバースとはこういうものだ、NFTを絡めるとこうなる、という議論が盛んです。ただ、これはかなりハイプだと思っています。バブルに近い状態だと考えています。

手嶋: 加藤さんは、NFTや暗号資産の話について、意図的に距離を置いているように感じます。発言としても、違うものであるという姿勢を示していますよね。

加藤: 明確に立ち位置を説明すると、Web3やNFTというもの自体の面白さは大いにあると思っています。私はエンジニアなので、Solidityを書いて、イーサリアムでDApps開発をしてみたりしています。技術的な背景は非常に面白く、いろいろなことができると感じています。しかし、今のNFTとメタバースのクロスは、技術的な部分を飛ばして「掛け合わせられるでしょう」という安易な発想になっています。

「NFTでバーチャルの土地を売る」「何億円で土地が売買されている」といった話にスポットが当たりすぎています。このようなバズに乗るのは良くないと考えています。

私は、大きな流れに乗った方が成功しやすいと思っています。NFTからメタバースは、大きい流れではなく、局所的に発生している波になってしまっていると考えています。そこには乗らないようにしています。

とはいえ、ブロックチェーンの技術とメタバースという世界観がクロスする可能性はあります。Web3テクノロジーの理念が入ってくることも十分にあり得ます。ただ、直近1、2年の話ではないと考えています。しっかりと見極めつつ、クラスター社として取り組んでいく、というのが今のスタンスです。

「遊び場」から「経済圏」へ、そしてグローバル化のための「ゾーニング」

手嶋: クラスター社において、NFTはそういう位置づけだとして、今、優先度の高い事項は何になりますか。

加藤: 2つあります。2021年のテーマは、クラスターというもの自体を「住める場所」にすることでした。それまでの2020年までは、バーチャルイベントのアプリ、バーチャルイベントで稼げるアプリでした。2021年はまず住める場所にしようと考えました。これは結構うまくいきました。ユーザー数、住民数が伸びるようになりました。

今年のテーマの1つは、今のクラスターが楽しい場、「遊び場」でしかないという状態を「経済圏」にすることです。先ほど述べた通り、本当にロイヤルなユーザーは平均5時間以上滞在してくれています。しかし、経済性がここに入っていません。経済性が入って経済空間になって初めて生活に根付くものになると考えています。この経済性を入れていくのが1つのテーマです。

もう1つのテーマは「ゾーニング」です。海外展開という話もありますが、私たちは海外展開を意図的に遅らせています。理由は、リアルタイムにバーチャル空間内に人と人が入ってコミュニケーションするサービスだからです。ゾーニングをうまくしていないと、ぶつかった瞬間に体験が非常に悪くなります。

英語を話している人たちのグループに、日本語しか話せない人が割り込めないと、体験が悪いです。逆もしかりです。ここをうまくゾーニングしていかないといけません。ライブ配信や他のサービス形式であれば、言語で切り、リージョンを切るのは比較的簡単です。しかし、クラスターは単純にリージョンを切ればいいという話ではありません。

自然と同じカルチャー、同じ言語圏、同じ趣味嗜好を持った人が集まることができる、そのゾーニングの仕組みを入れて、初めてグローバルにマーケティングできると考えています。それを作るのが今年のテーマです。

「年内倍増」計画。世界と戦うため「エンジニア100人体制」を急ぐ

手嶋: 今、業務委託の方を入れて100人くらいの組織ですよね。そういう構想の中でいくと、年内ではどれくらいの採用を見込んでいますか。

加藤: 倍くらいにしたいと思っています。

手嶋: なるほど。

加藤: 今、100人のうち1/3がエンジニア、1/3がデザイナーやCGデザイナー、1/3がビジネス・コーポレートという構成です。本当に綺麗に1/3ずつに分かれています。

世界的には、数百億円を調達して、メタバース空間を作るぞと言って動いているところがあります。Facebook社、Epic、上場したRobloxなど、しっかりと資金調達して、資本で殴っている中で、いち早くエンジニアのチームを100人チームにしたいと考えています。100人組織体制のエンジニアチームを組むというのが、私の中の目標です。

それくらいしないと、メタバースを構成するエコシステムを作れません。理由は、リアルタイムにコミュニケーションする以上の機能があるからです。ソーシャルサービスが入っています。デジタルコンテンツの売買サービスも入っています。ゲームを作る、ゲームエンジン的な要素もあります。プロダクトが3つくらい共存しているような状態です。

共存した上で、全体の調和ができ上がるという領域です。かつ、ゲーム的な発想と技術、ウェブアプリ的な発想や技術がハイブリッドで重なることを考えると、100人体制がないと世界と戦えないと考えています。そう考えると、早く100人体制になるためには、年内に倍くらいになっていないと間に合いません。

手嶋: 採用のメインはエンジニアということですね。

加藤: エンジニアです。

Web系とゲーム系が融合する、クラスター社のハイブリッドなエンジニアチーム

手嶋: どういうバックグラウンドのエンジニアが多いのですか。もしくは求めているのですか。

加藤: 以前から言っていますが、本当にウェブアプリ系とゲーム系のハイブリッドによって、メタバースが作られるということがあります。クラスター社の面白いところは、そういう指向性で採用してきたため、ウェブアプリ系とゲーム系の出身の人たちが多いことです。

ゲーム系は、ソーシャルゲーム出身とコンシューマーコンソールゲームを作っていた人たちが、大体半々くらいです。ウェブアプリ系では、社内の名だたる企業から入っています。具体的な社名を言うと、会社に怒られるかもしれません。

手嶋: 大きいインターネット企業が多いということですね。

加藤: 日本のインターネット企業、日本のウェブアプリ系の企業から転職している方が多いです。うちのCTOの下のエンジニアリングマネージャーが今2人いる状態です。片方は京大卒の元Googleエンジニアで、もう片方は金融系スタートアップのCTOだった人です。

手嶋: あまり表には出ていませんが、錚々たる方がいるということですね。

加藤: そういうエンジニアチームです。

手嶋: 興味ある方は、クラスターの採用サイトに行けば、いろいろ見れたり応募できたりしますか。

加藤: 結構充実したサイトがあるので、見ていただければと思います。

「タイミングの良さ」で掴んだ出版。書籍『メタバース さよなら、アトムの時代』

手嶋: 最後ですが、書籍を出すのですよね。加藤さん、まだ出ていませんよね。

加藤: 4月5日に出ます。頑張って書きました。

手嶋: 出版の話が来たのですか。

加藤: 私は本当にタイミングがいいことで有名なのですが、今回もドンピシャで発揮しました。全然メタバースが関係なかったんです。

今回の本は、知り合い経由で集英社から出します。集英社の出版社の方が、ビジネス書やノンフィクションを書いている編集者でした。正直に言うと、集英社さんはビジネス書が弱いです。集英社でビジネス本と言われたときに、ピンとくるものがありません。

今、ビジネス本は出版業界の中でも一大ジャンルなので、金字塔となるもの、何か1つ出したいということで探しているそうです。面白い人はいないかという中で、紹介を受けました。テーマはないですかと言われたのが、去年の7月頭くらいです。

ちょうど、Facebookがメタバース企業になるのではないかというリークがあったくらいの時でした。まだ公には言っていない段階です。ザッカーバーグが公に「メタバース企業になります」と言い始めたのは、7月の20日とかでした。その1週間くらい前に、その方と会いました。リークのニュースで盛り上がっている中で、「メタバースというタイトルで書くといいと思います。これから高橋さん(編集者)、めっちゃ盛り上がりますよ」と言ったんです。ただ、その時は編集者の方はピンと来ていませんでした。

手嶋: ちょっとした先見の明ですね。

加藤: ピンと来ていない中で、私の背景を聞いて、面白いと。私の話をベースに、クラスターの話をベースに、本を書かないかと言われました。私は「その本は売れないから嫌だな」と思っていました。上場したり、もうちょっと大きくならないと嫌だなと思っていました。しかし、その1週間か2週間後くらいに、ザッカーバーグが「メタバースやります」と言い始めて、世界的にニュースが駆け巡るようになったんです。そして向こうから連絡が来て、「メタバースで書きましょう」となりました。

手嶋: 決まったのは8月くらいですか。

加藤: 7月の末くらいから動けていました。なので、結構しっかりと調査もできたし、しっかりと準備できました。最近メタバース系の本がパッと出ているものもありますが、おそらくメタバースに関して、ちゃんと調査もあるし、裏付けもあるし、面白い話が書けている本になっていると思います。

手嶋: タイトルは何でしたか。

加藤: タイトルは『メタバース』で、副題が「さよなら、アトムの時代」です。

手嶋: メタバース本がたくさん出るので、違う本を買ってしまうといけませんね。「さよなら、アトムの時代」と書いてあったら、これだとわかります。

加藤: そうです。ぜひ読んでください。学術的な背景もかなり書いています。メタバースの技術がなぜこんなふうに盛り上がっているのか、なぜ今盛り上がっているのかという技術的な背景も書いています。業界の背景も書いています。

学術的にメタバースとは何なのか、アカデミックな話も少し書いています。今、すでに読んでいただいている方たちからすると、その部分は好評です。

メタバースは、結構ふわふわした話が多いです。土地が儲かるとか、VRがどうとか、それくらいの話が多い中で、結構しっかり書けていると思います。

手嶋: ちなみに、しっかりご自身で書かれたという理解でいいですか。

加藤: 隠さないで言うと、ベースはライターの方に手伝ってもらいました。正直なことを言うと、一回私がざっと喋ってベースを書いてもらいました。でも、私が手直ししていたのですが、結構結局書きました。

手嶋: 一般的な進め方をされたということですね。前半後半にわたって、普段あまり出ていない話も出てきたのではないかと思います。おそらく今年、加藤さんは世の中を賑わしていくのではないかと思います。クラスターが粛々とやりつつも、聞いている方は注目していただいて、採用サイトを見て応募していただければと思います。当然、エンジニア以外も募集していますので、応募していただければと思います。加藤さん、ありがとうございました。

加藤: ありがとうございました。

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